やーこばなし

露出狂に出会ったり、カツアゲにあったり、等速で動く点Pを逆恨みしたりする話などを書いてます。

忘年会からの帰宅中、たまたま中学の時の友人に出くわした。懐かしくなり声をかけたが、友人の反応は薄く、長い年月が我々の仲を希薄にしてしまったのだという事だけが会話の後に残った。物悲しさを覚え帰宅し、ふと鏡に目を向けると8割型人間になり始めている人型アンドロイ ...
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夜中、コンビニから家へ向かっていると、我が家の玄関扉の前に不審な男が佇んでいた。以前に防犯教室で大きな声を出すことが重要であると習った事を思い出し、私は男の背後から大声で声をかけたが、声かけの内容まで考えが至らなかった為に「元気ですかッッッッ‼︎‼︎‼︎ ...
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友人と近所の居酒屋に飲みに行ったが、友人は大分酒が回っていた。一人暮らしの家まで送るか、友人の実家に送るか、本人に決めてもらおうと思い「今後は、どういう方針でいく御予定で?」と訊きながら友人に向かい振り向くと、いつの間にか友人の姿はなく、代わりにセーラー ...
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電車に一人で怒鳴っている気合いの入ったオヤジが現れたが、私はこのタイミングで しゃっくりが止まらなくなった。「世の中おかしいだろ!」「ウェッ」「馬鹿どもばっかりだ!」「ウェッ」米津玄師のLemonのようなリズムで私のしゃっくりが刻まれた。皆オヤジだけでも警戒対 ...
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バイト先のコンビニのイベントで、青空カフェのようなものを開いた。しかし、メイドカフェと勘違いしたような言動を繰り返す客が現れバイトの美女に執拗に「おまじない!かけて!」と絡み始めた。美女のバイトが辟易していたので私が代わり、面倒であったので「もう何か かか ...
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自室にて、満足げに目を細める猫を撫でていたところ、母に和室の掃除を頼まれた。手を止めると猫が開眼した。私の掃除は真顔で追いかけ回してくる猫を撒くところから始まった。しかし、上手くいかず和室に籠城したので、猫の圧を背に感じながら拭き掃除から開始することにし ...
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児童館用のサンタクロースの付け髭を通販で購入したら何故か立派な中東の髭が届き悩んでいたところ、友人からスーパーで変なオヤジに付き纏われていると連絡がきた。到着すると、友人は確かに不審なオヤジに常に後をつけられていた。 どうしたら良いか分からぬので、とりあ ...
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髪が伸びてきたので、いっその事長髪を楽しむ事にしたが、私のオーダーの説明が下手な為に美容師は毎回私の解読に苦しんだ。美容師の苦労に胸を痛めた。もう苦しまずに済むようスマホに保存したカットモデルの画像を見せ「このような頭にしてほしい」と頼んだところ、美容師 ...
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猫が膝上で喉を鳴らしている。至福の極みであるが、どうしても人間は動かなければならぬ時がある。私は猫のノミダニ防止の薬を取りに病院へ行かねばならぬ。猫には膝上から退去してもらはねばならない。私はその旨を猫に伝えた。何も睨まなくてもと思う。猫の爪は服を離さず ...
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複数人で友人の寺に集まり、お泊まり会をすることとなった。私は夜話用に使用するライト担当であったが、蝋燭は万が一に火が回ったら危険であると禁止されていたのでミラーボールしかなかった。しかも、夜話とは「怖い話」がメインであったらしく急いでスマホで調べ、原文の ...
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自律神経の治療をしていた時「朝陽を浴びると精神衛生上に良い」と訊いたので散歩をしようと玄関を開けると、泥酔したジジイ二人が仲違いし、互いにあらぬ方向の虚空を殴っていた。精神衛生上に悪い光景であった。ジジイの縄張り争いに朝陽の効力が霞んだ。そのうえ、その横 ...
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猫は閃いた。必ずや、かの先住猫の毛繕いをしようと。しかし、猫は毛繕いが下手であった。毛繕いを施そうとした舌が先住猫の目に当たり、目潰しがなされた。奇しくも敬愛の念が戦いの火種を発芽させた。猫は危機を察知する能力は高かった。その判断力が功を成し、先住猫の左 ...
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紅葉が木々を彩る昼下がり。あまりに暇であったので、尻にカスタネットを挟み打ち鳴らしていたところ、振り向くと豪奢なクッションの上に横たわる猫と目が合った。明らかに心を痛めている。音楽の秋といえど、奏者が尻であった事が良くなかったのだろうか。誰もいないと思い ...
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近所のジジイが健康診断に行くことに抵抗し、逃走を果たした。老婆から手を貸すように頼まれたれ、ジジイのアル中仲間達と共に捜索が開始された。いつもの公園で酒でも飲んでいるのではないかと足を運ぶと、まんまと酒を飲んでいた。「なんだ、オレはまだ何もしてねぇぞ」何 ...
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狭い地域で個人経営のコンビニバイトをしていると暖かいお声がけを頂く事が多いが、この日はクーポンの期限も本人もキレているお客様が現れた。割引が効かぬ事に怒る客をなだめようと対話を試みたが「このクソ店員が!」「お客様のおかげです」反射的に褒められた時の返事を ...
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部屋が冷えてきたのでスウェットを着ようと首まで通したが、膝上に鎮座する猫が「猫も人間の衣を着る事は やぶさかではないと頑なに退かぬので、猫ごと着た。ふと、以前SNSで見かけた 服の首元から顔を覗かせる猫画像が思い出され、これを機に私もそのような愛らしい写真を撮 ...
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玉ねぎを切る際に、目が沁みる対策に目出し帽を被ったが、よく考えれば目の部分が開いているので無意味であった。魚を捌いていると、外出中の母から「トイレに行きたいから、すぐ扉を開けて」という電話がかかり、直後にインターホンが鳴った。急いで扉を開くと、そこには母 ...
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よなよなビールでお馴染みのヤッホーブルーイングさんから、クラフトビール「インドの青鬼」と、それに合うカレーが食べられるという招待券を頂いた。私は早速、店のある下北沢へと向かった。駅から徒歩3分だというの迷った。私の重度の方向音痴が火を吹いている。Googleマッ ...
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その日、私は祖母が注文した夏目漱石の小説「こころ」を、代わりに受け取りに書店へと足を運んだ。レジで書店員に伝えたが、何故かタイトルを誤り「夏目漱石の「命」を頂きにまいりました」と、腕に覚えのある刺客のような物言いになった。そのうえ「祖母に頼まれまして」な ...
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