やーこばなし

露出狂に出会ったり、カツアゲにあったり、等速で動く点Pを逆恨みしたりする話などを書いてます。

友人宅にて。着いて早々に友人に一歳の赤子を受け渡され私に凄まじい緊張が走った。ゴリラがケセランパサランを持つようなものである。赤子の安全について友人とは今一度話し合いたい次第である。私ならば決してゴリラにケセランパサランを預けたりなどしない。皆が見ていな ...
続きを読む

穏やかな昼下がり、私はアルバイト先のコンビニでオヤジと、その頭に佇むカマキリに威嚇されていた。カマキリとばかり視線を交わせていた為、オヤジとの意思疎通が疎かになった。せめてもと真面目な顔を維持していたが「聞いてるのか!」と、オヤジが声を荒げると共にカマキ ...
続きを読む

【電車で男に絡まれ無難にやり過ごそうとしたら怖い事態を招いた話】          むめいさん×やーこ【有難きコラボについて】大変嬉しい事に、むめいさん(@mumei10101 )が文章を漫画化してくださいました。私がむめいさんのファンでありお願いしたいが、大変人気 ...
続きを読む

夕暮れ時の薄暗さが、草木や紫陽花に影を落とし色深く染めていた。ふと、空を見上げると、並ぶ家々の窓が鮮やかな朱色の空を映している。夏の始まりの美しさに思わず目を惹かれていると窓が開き、美しい空と引き換えに上裸の湿ったオヤジが現れた。目が合ってしまった。オヤ ...
続きを読む

「刺身で危険な目にあった話」を⚪︎吉史あんさん⚪︎竜庵さんが朗読してくださいました。Xの方で、「前に運転中に聴きたいのですが…」と、言ってくださった方がいらっしゃったので「疲れ目や運転中の方にも…」と、おすすめしたところ「運転中は事故る……」とのリプやお声 ...
続きを読む

近所を徘徊していたところ、スマホに「君、今どんなパンツなの?」と、不審な電話があった。生憎、私は本日の自分のパンツが何であったかを失念していた。それ故に、代わりに近く住む常に派手なパンツを大量に干しているジジイの家のパンツをお教えする他なかった。「虹色のス ...
続きを読む

ある日、尻に巨大なデキモノができ、刺激せぬよう ささやかに過ごしていたが、猫に高速タップされ病院へ行く事を決意した。最初は蚊に刺されたくらいであったので放置していたが、どうやら「粉瘤(ふんりゅう)」というものであった。粉瘤は、痛む上にこれ以上刺激を与えれば ...
続きを読む

愛猫うに からの「一緒に庭を見よう」との誘いがあった。心苦しいが、私は忙しい。綿埃を見つめたり、ウクレレで不協和音を量産し部屋の隅で意識を失ったりと、余念がないのだと伝えると、若干語気強めに「にゃー」と苦情を頂いたので、写真の今に至る。このように、大体途中 ...
続きを読む

アルバイト先の敷地内に犬の糞がよく放置されるようになった為、注意喚起の張り紙を作ったが「飼い主さんへ  糞め持って帰ってください」と、飼い主をクソ呼ばわりする好戦的な張り紙となった。誤字変換の悲劇である。「を」と「め」を間違えただけでこんなにも喧嘩腰にな ...
続きを読む

アイスにチョコとチョコペンで装飾し、リスを模ったアイスを作ることにしたが、私の画力が足りぬ為に、冷凍庫に大量の小さいおっさんの生首が並ぶ事となった。友人のヨシコが引っ越すの為、我が家でお別れ会を開く事になりデザートを作ったが、大層不気味な感じになってしま ...
続きを読む

底に紐状のゼリーのようなものが沈澱している何らかの飲物を飲みながら某喫茶店で待ち合わせをしていたところ、隣の女子高生がコーヒーを溢した。私の左足がコーヒーの犠牲となった。泣きそうな顔で謝罪し続けるので、何か気の利いた事でも言い、気を紛らわそうとしたが「お ...
続きを読む

風というものは季節の草木の香り、花びら、夕暮れの涼しさ、と様々なものを運ぶが、ブリーフが運ばれたのは初めてであった。連日に渡り、近所の猫に盗まれていた父のブリーフが強風により我が家に舞い戻ってきた。何故この地域の風は冒頭に記したような美しいものではなく、 ...
続きを読む

連日、父のブリーフが盗まれるという事件が発生した。下着泥棒ではあるが、父のブリーフが色濃く絡むが故に、野放しも嫌であるが、捕まえるのも何だか嫌だという「なるべく触れたくないが、放っておくには不穏が過ぎる」という祟り神の一種の様な存在と化した。しかし、いつ ...
続きを読む

ある日から非通知で無言電話がかかってくるようになった。恐らく暇を持て余した友人のタカシの仕業であると私は予測していた。音声マイクが壊れたのかと思っていたが、たまに小さく「ねぇ」と囁いてくるところを見ると、やはり人工的な無言電話である。元々、人類の訳の分か ...
続きを読む

煙草屋で勤務中、オヤジがいちゃもんをつけた挙句「店長を出せ」と怒鳴ってきたので、店長はもう勤務を終えたと伝えたが「店長はもう……」と妙な所で途切れ、深刻な雰囲気が漂った。「え…どうして急に…」と、客が狼狽え始めた。店長の息子さん達が店長を休ませようと早め ...
続きを読む

友人の結婚祝いに皆のダンスする様を繋ぎ合わせたムービーを流す事となり、各自撮って送ってくれと頼まれた。早速自分の踊りを撮影し、確認したところ、カメラに向かい激しく両手を上下させ威嚇するチンパンジーと、その背後で猫達が一塊りとなって静かに争っている訳のわか ...
続きを読む

近隣の者が我が家に苦情を言いに来たが、庭に面した網戸越しに顔を出し返事をしたところ、勢いあまり網戸を突き破りダイナミックな登場を果たす事となった。しかも「お待ちください」と声かけする途中で網戸に顔面が押し付けられた為「おまえぇぇええええええ!!」などと、 ...
続きを読む

同じ部署の先輩が声を荒げ「お前、この部屋にいらねえんだよ!」と、後輩を怒鳴りつけ、部屋の空気が張り詰めた。あまりの言い草であったので間に入り、いらない人間などいないと嗜めようとした結果「この部屋に人間などいませんよ」と、全方位を敵に回す発言となった。いら ...
続きを読む

職員室にて、担任に家庭科で作った口中の水分が奪われるケーキを渡そうとしたが「身体中の水分が奪われますが、どうぞ」と、とんでもない兵器と化した。「僕、何か恨みを買うような事しましたか……?」と、担任が呟くと、担任の隣の席でスマホを没収した生徒を叱っていた教 ...
続きを読む