やーこばなし

露出狂に出会ったり、カツアゲにあったり、等速で動く点Pを逆恨みしたりする話などを書いてます。

2022年09月

電車の座席に座り半分寝ていると、ドア付近に立つ女子高生くらいの二人組が静かに口論を始めた。すると、私の向かい側に座っていた赤子が泣き出した。赤子の母が「すみません」と言いながら、申し訳なさそうに子をあやしていると、母子の近くに座っていたおじさんが険しい表 ...
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ある日の放課後、隣のクラスの友人達と遊んでいると学校の裏で非常に汚れた上履きが発見された。「これは、過去にこの学校で亡くなった人の上履きだ」と、霊感があると常に自己申告していた女子が言い出した。三階のトイレに閉じ込められ、自力で出ようとして転落した時のも ...
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同じクラスの友人の庭で行われた「ジャガイモを掘る会」に参加した。突如現れた地域のオヤジが掘り方の手本を見せてくれた後、さあやってみろというので友人と地域のオヤジが見守る中、いよいよ私は満を持してスコップを土に入れた。すると、土中から人の顔のような不気味な ...
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ある日、暇を持て余した私はツクツクボウシの鳴き声に合わせ左右に腰を振っていた。鳴き出しの「ツクツクボーシ」から始まり、「ツクジーア」とテンポが高まるにつれ私の振りもその速度を上げ、フィナーレの「アアアアアァァ!」のところで振動しながら両手を上空へと昇らせ ...
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私と母は、祖母の家に住んでいた。忙しい母に変わり、祖母はよく私の世話をしてくれていた。祖母は世間一般のイメージする「優しいおばあちゃん」とは違い、少々厳しいところがあり、私が成長するにつれ衝突する事も多くなっていった。祖母と喧嘩した日は、決まって壁に掛け ...
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認知症の進んだ祖母が、私の事を「一郎」と呼びだした。しかし、認知症でも何でもない父が既に私と愛犬の名をよく間違えて呼んでいた為、私は違う名で呼ばれる事には慣れていた。どちらかといえば、窓が全開であるのに「やーこ、スリッパ噛むな!」などと私の名を呼びつつ愛 ...
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