やーこばなし

露出狂に出会ったり、カツアゲにあったり、等速で動く点Pを逆恨みしたりする話などを書いてます。

2023年06月

動物病院へ猫を連れ開店の少し前に着いた。入り口前のベンチに一旦置いた猫用キャリーケースを両手で持とうとした瞬間、突然蝉が私の頭に激突した。思わず手に力が入り、キャリーケースの格子に指が入ってしまった。両手の10本中6本が犠牲となった。指が抜けず、豆腐小僧のポ ...
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夜にバイト先の給湯室を掃除していたところ、突然部屋の明かりが消えた。大変驚いたが、一定の時間が過ぎたら自動で落ちる仕様になったのを思い出した。人の動きを感知すれば再び明かりが点く筈であるが、なかなか点かず苦戦を強いられた。ややあって部屋に光が戻り、切磋琢 ...
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雑居ビルの中にある病院へ行ったところ、その日は雨にも関わらず非常に混んでおり、院外の廊下にもその列は及んでいた。並ぶ人々は少々殺気立っており、雰囲気を察知した赤子はぐずり、更に一人で恨み言を呪文のように詠唱するオヤジがその場の緊張感を増長させていた。受付 ...
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大学で世話をしている猫を愛でに、猫がいつもいる茂みに足を運んだ。普段は息を吐き唇を振動させ高音を発するとすぐさま姿を現すのだが、その日は茂みの奥で動く気配はあれど一向に出て来なかった。嫌な予感が走り、病などで動けぬ可能性を考慮し、私は猫を驚かせぬように高 ...
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私が電車に乗った瞬間、乗客達が騒ついたのを感じた。何事かと思っていると、紫の縞模様をぴたりと全身に纏うチシャ猫の様なオヤジがポップに私の視界を横切っていった。私は瞬時にこの雰囲気の原因を察知した。奇しくもその日私が着ていた服は濃い紫の縞模様であり、一方オ ...
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