やーこばなし

露出狂に出会ったり、カツアゲにあったり、等速で動く点Pを逆恨みしたりする話などを書いてます。

2025年01月

電車に乗っていたところ、駆け込みで乗り込んできたオヤジが扉付近にいた男子中学生に「邪魔だ!ガキがぁ!」などと怒鳴ると同時に足を躓かせ、前方に位置していた私に活き良いオヤジが発射される事となった。種の存続の本能が働いたのか、私は反射的にオヤジを救おうと抱き ...
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7:00目覚めた瞬間、遅刻を確信。すぐさま着替え、寝ぼけ眼のまま顔を洗い、鏡を見ずにリップクリームと間違え母の真紅の口紅を塗りたくり口の筋肉のみで広げる。7:15赤い口紅をはみ出させた女装したクサマダラオオコビトが家から飛び出す。私である。全力で走るなか前方を見 ...
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皆が仕事をする中で、アルバイトの同期と私は肩を並べ、職員にお叱りを受けていた。「余計な事ばかりしやがって、特にお前」と、職員の指が私に差される中、私は職員のお言葉を録音する事にした。しかし誤って再生を押してしまい、私が歌う森山直太朗の「夏の終わり」が流れ ...
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マイナンバーカードを作りに行ったが、顔写真を用意し忘れたので、備え付けの無料撮影を利用する事にした。大きめのモニター画面が設置されている部屋で、私は椅子座らされ、撮影係の饒舌なオヤジはカメラを構えた。一方その頃、私の鼻の穴では数多の鼻毛が風にそよいでいた ...
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以前、私は気分が落ち込むと家の至る所で床に背を着け絶命した虫のポーズで両手両足を打ち鳴らしていたが、最近は猫達がその周りを旋回するようになり、いよいよ「不気味だからやめろ」と家族から苦情が入った。なので、最近は「大地讃頌」を一人合唱し猫に披露しては大変迷 ...
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地面を切り崩した短い階段と、その横に小さな“お社”のある人一人がぎりぎりにすれ違う事が出来るか否かの狭い小道がある。たまに人と相対し、道の譲り合いにより小さな会話が発生する。階段途中のお社に毎回綺麗な礼をし、こちらにも気持ちの良い挨拶をしてくれるサラリー ...
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胃カメラの検査を受ける日であったのに、私は寝癖により頭の形が尻に酷似していた。その日、淡々と責務をこなすクールな女医は、突如診察室に現れた尻の実写化を前に、言葉を失った。寝坊により頭を直す時間がなかったのだ。しかも入室の際に目測を誤り、尻の実写化は扉に挟 ...
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予定:大晦日、厳かにしめ縄を飾る母が「一富士、ニ鷹、三茄子」を模し、富士山柄の皿に唐辛子(鷹の爪)の箸置きと、生の茄子を添え外に飾る。予定:除夜の鐘を聴く窓を開き、耳を傾けると近所のジジイが「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛」と、叫びながら家の前を巡回 ...
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 アルバイト先に厳しい先輩がおり、常に新しい事に対して無知識で放り出された。ある時、先輩の我慢が身を結ぶ事なく果てない不満が爆発し、一名の立ち読み客とバイトの女子大生の前で私は声を荒げられた。「お前こんなこともできないの!?じゃあ、何ができるんだよ!?」 ...
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