愛猫うに からの「一緒に庭を見よう」との誘いがあった。
心苦しいが、私は忙しい。
綿埃を見つめたり、ウクレレで不協和音を量産し部屋の隅で意識を失ったりと、余念がないのだと伝えると、若干語気強めに「にゃー」と苦情を頂いたので、写真の今に至る。
このように、大体途中で私は放置される。
なんなら、もう既に窓辺にはいない。
襖の模様と妙に合う姿勢でこちらに向けて視線を送っている。
そして、次は廊下に一緒に来て欲しいと申している。
「あまり猫を甘やかすのも良くない」
と人間界隈では囁かれている。
猫界隈では、これに対し常々苦情が上がってはいる事と思われ、双方の話し合いが要される。
ここは強い心を持ち、断固として動かぬべきだろうと私は考えた。
気がつけば廊下で共に寝っ転がっていた。
猫を甘やかして何が悪い。
特にうには、野良時代は地域猫のボスという立場であり、人間から狸、更には猫好き故に愛の重いウザ絡みをする用務員のオヤジ田中さんと、多岐に渡り縄張りの猫達を守ってきた。
今甘やかさずして、いつ甘やかす。
「鍾愛を!」
と決意を発していると、トイレに向かう父が「何だ?」と訝しげに横を通り過ぎていった。
そして、後から現れた母には
「人間は邪魔」
と、魔王の手下が発していそうな言葉を吐かれ邪険に扱われている。
願わくば、私にも僅かばりの鍾愛を。
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「え?こんな変人が?嘘だろ?」
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