ボディービル部の友人のサークル勧誘を、謎の中国人ヤンさんと共に手伝う事となった。
ヤンさんが誰なのかは知らない。
汗だらけの男がポージングを決める暑苦しいポスターであったが、それを首から下げ歩く筋骨隆々の男は更に暑苦しかった。
生きる看板と化した友人がムキムキとビラを配っている。
しかも、女子にばかり配っている。
ヤンさんに至っては
「オマエ、入レ!」
と、日本語の不慣れさが炸裂し、強気な勧誘をしている。

遠巻きにされぬ理由が見当たらない勧誘であった。
やがて筋肉は看板を捨て、ポージングこそとらねど露骨に己の肉体美を見せつけ始めた。
「オマエ!コノ気持チ悪イ紙、持ッテイケ!」
ヤンさんがビラを通行人に押し付けている。
ちなみに、ビラはポスターと同じで、生きる看板の筋肉の写真をなぞって描いたイラストであり、サイドチェストのポージングをしている。
そこに「汗!汗! 汗のきらめき」
などと、汗臭いキャッチフレーズが書かれている。
「尻ヲ拭ク紙ニハナル!」
ヤンさんから一刻も早くこの暑苦しいビラを手放したいという執念が伺える。
しかし、今日一番の説得力であった。
ふと、親切な方がビラを持って話しかけてくれた。
「あの……誤字が……」
と、言われ改めてビラとポスターを確認すると
「汁!汁! 汁のきらめき!」
と、非常に不気味なビラとなっていた事が判明した。
これで入部を希望する方が変態である。
何故三人もいたのに誰も気が付かなかったのか。
直ちに、そこの汁のきらめき筋肉を止めた。
そして、ヤンさんも止めた。
ヤンさんは
「コノ紙ハ、尻ニモ使エナイ!」
と、辛辣な事を言っていた。
ちなみに入部希望者はいなかった。
【追記】
その後,ヤンさんに会ったので挨拶をすると
「酷イ目ニアッタ!」
「アンナ会ハ滅ベバ良イ!」
と、怨みを燃やしていた。
親でも人質に取られているかのような怨み具合である。
もしそうならば極悪隆々筋肉である。
ヤンさんの横にいる同胞の友人は
「ドウセ滅ブ」
と、不吉な予言をしていた。
因みにこんな漫画にいるような筋肉野郎がいるのかとお思いかも知れぬが、いるのである。
おかげで私は一時期ポージングの名に少々詳しくなった。
初期から読んでくださっている方は何となく予測がつくかもしれぬが、この友人は「三番」というあだ名の男である。

【追記の追記】
イラスト担当の栖さんが、汁ポスターを描いてくださったが、文字の配置といいまさにほぼ当時のポスターそのものといって良い程の再現率の高さを叩きた出した。
因みに打ち合わせや、説明などはしていない。
ちょくちょくこのような事が起きているので、私は栖さんは特殊能力の持ち主だと思っている。

【書籍】
全身から汁が流れる季節が来ましたが、こんな感じの話が本になってます。
○二冊目(NEW)
【電車で不思議なことによく遭遇して、みんな小刻みに震えました】
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【猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました】
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コメント
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yalalalalalala
が
しました