以前、猫が畳に尻をなすりつけ高速移動したので病院へ連れて行った際に、症状の動画があると分かりやすいと聞いたので私が再現した高速尻歩きの動画を獣医師に見せた。
名案であるかに思われたが、院内が阿鼻叫喚と化したので、この手法は失敗であったと学んだ。
ついでに私の尻で奏でる尻カスタネットの動画まで露呈する事態と化し、事態はより不気味な方向へと加速していった。
あれから約一ヶ月後、突然猫が舌を出し連続で咳をしているかのような症状が出たので病院へ連れて行く事にした。
診察室にて、同じ過ちを踏まぬよう動画ではなくその時の猫の図を描いて持参し、獣医師に見せた。

診察が停止した。
私の絵心が皆無な為に、不吉な予言をしてすぐに絶命する妖怪のような雰囲気が漂ってしまった。
獣医師は苦しむ事となった。
しかし、絵の効果もあってか、若干悲鳴にも似た声で「気管支炎!」と息を切らせながらもすぐに診断が下された。
幸いにも猫の気管支炎は軽いものであり、大事なかった。
帰宅し猫を部屋に解き放った後、近所のコンビニへ行き財布を出したところ、猫の絵が落ちた。
親切な店員が拾ってくれたが、手に取った絵を店員が認識した瞬間
「おけけさま!」
と、奇声を発した。
私の背後に毛の神でも見たかのような発声であったが、恐らく「お客様」の成れの果てである。
店員はなるべく猫の絵を視覚に入れないようにしようと思ったのか、こちらに渡す前に紙を震えながら裏返した。
しかし、裏にも一度失敗した猫の絵が描かれていた為、店員の視覚的退路は断たれた。

「なんですコレ?」
と、半泣きで聞かれたので
「あぁ、うちで飼ってるんです」
と、答えた。
後に友人に猫の絵を送った際
「“あかなめ”にしか見えない」というメッセージが送られてきた。
恐らくあのコンビニでは私は「あかなめ」を飼っていると思われている。

【追記】
猫が あかなめ にしか見えぬ友人から、写真などが苦手ならば
「動画を撮ってスクショすれば良いのでは?」
と、アイディアを頂いた。
名案である。
今後は私が再現した動画をスクショする旨を伝えたところ
「まって、再現した写真て怖い」
と、すぐに返信が来た。
あくまで猫の動画を撮っての話であった。
とはいえ試しに、私のあかなめ再現度動画でやっみたところ確かに恐怖画像が誕生した。
しかも、スクショのタイミングが悪く、舌を出し異様に黒目が下を向いてた。
全身が肌色の服であった事も、人なのか妖なのか見る者の判断を鈍らせ、更なる恐怖を演出していた。
熱海の秘宝館におざなりに設置されていそうな出来栄えであった。
因みに、今回貼った画像は実際に獣医師にお見せしたものである。
コンビニの帰宅後、部屋に猫の絵を置いていると、猫にも何か思うところがあったのか踏み潰され絵に皺が寄ってしまった。
伸ばして撮影したものの、若干見えずらかったら申し訳ない。
その後、武術の先生にパイナップルを頂いた。
鷲掴みで帰ろうとしたが、よく考えればコンビニへ寄るので
「あかなめ飼ってる奴が、今度はパイナップルを鷲掴みにして入ってきた」
と、店内に戦慄が走る可能性があると話したら心配した先生が袋をくれた。
「あ、そのコンビニなんだ……」
と、先生は呟いていた。
【書籍】
この一件のせいで、私の猫の絵が「お毛毛さま」と呼ばれるようになりました。
こんな感じの話の詰め合わされた本が出ています。
○二冊目(NEW)
【電車で不思議なことによく遭遇して、みんな小刻みに震えました】
○一冊目
【猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました】
こちらだけAmazonさんでは紙媒体は準備中ですが電子書籍はいけます。
紙媒体は楽天ブックスや、その他ネット書店ではお求め頂けます。

コメント
コメント一覧 (7)
yalalalalalala
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yalalalalalala
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隣に聞こえてなけりゃいいな。。
yalalalalalala
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やーこ、恐ろしい子
yalalalalalala
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yalalalalalala
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yalalalalalala
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