電車内でズボンのチャックが全開のオヤジが女性に絡んでいた。
「もしよろしければ、ズボンのチャックを閉めて頂けますか?」
と、間に入り控えめにお教えすると、オヤジは青い顔をして別の車両へ去っていった。
女性の方に顔を向けると,女性も礼を言うと同時に反対方向の車両へと足早に去って行った。
余程怖かったのだろうと偲んでいると、電車の窓にチャックが全開の己の姿が映った。
しかも、中からシャツが飛び出している。
ーーもしよろしければ、ズボンのチャックを閉めて頂けますか?ーー
私のズボンのチャックを締めろと、オヤジに懇願したともとれる発言であった。
「余程怖かったのだろう」の、恐怖の対象がオヤジから私へと変わった。
チャックを閉める音が、どこか切なげに響いた。
※止める善良な市民
※己が車両一番の変質者であった事を知った市民
【追記】
花粉で赤ら顔の者が鼻息荒く
「私のチャックを閉めてくれ」
などと現れれば、明らかにその手の類いの者である。
しかも、チャックから飛び出していたのは赤いシャツであった為、凄まじい存在感を放っていた。
居た堪れず、私も車両を変えようとしたが、オヤジと女性が既に両方な車両へ避難している事を思い出した。
とりあえずオヤジの方へ向かうと、指定席に座っていたオヤジが「げっ」という顔をして、再びべつの車両へと去っていった。
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yalalalalalala
がしました