【電車で声をかけられ怖い目にあった話】
電車に乗っていると、「五百円を貸せ」と乗客に言いまわる不穏な老婆が現れた。
案の定断られ続け、老婆の舌打ちは激化し爆発間近である。
乗客たちは皺弾丸のロシアンルーレットに怯えた。
私と老婆の距離はジョジョに縮まり、今や左隣のサラリーマンに断られている。
ついに老婆による恐喝の順が私に巡ってきたと思った矢先、老婆はあろうことか私をスルーし、隣の青年へと声をかけた。
「何故私を抜かした……」
と思わず言葉を漏らすと、向かいの席のオヤジが何らかのツボに触れたのか吹き出した。
「アンタ!笑ってんじゃないよ!」
皺弾丸がオヤジに被弾した。
オヤジが生贄となり我々は助かった。

【追記】
ヤベェ老婆にすら無視されるヤベェ奴みたいで居た堪れなかった。
一方、オヤジは半泣きである。
笑うと さまよえる青筋の弾丸がこちらに飛んでくるので必死に耐えようとしていた。
私はオヤジを激励すべく視線を送った。
しかし、オヤジには逆効果であった。
「見つめちゃうと……ほら、よくないと思うよ」
と、左隣のサラリーマンに止められた。
右隣の青年はずっと「ぐ……ぐふっ……くっ……」と、毒によりHPが−1ずつ減らされているかのような声を発していた。
【書籍】
老婆に無視されても私は強い心で生きて、本を書いてます。
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「尻でカスタネットを奏でたら視線が刺さり震えたが今日も猫は愛おしい」
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【こちらは一冊目と二冊目です!】
○二冊目
【電車で不思議なことによく遭遇して、みんな小刻みに震えました】

電車で不思議なことによく遭遇して、みんな小刻みに震えました
やーこ
KADOKAWA
2024-04-24
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