【傘でトラブルになった話】


コンビニの傘立てに置いていた大きいビニール傘を持って行かれ、代わりに小さいビニール傘が残されていた。

持ち手にテープを巻いていたので、明らかに意図的な犯行であった。残された傘から香水の香りがし、先に退店した女性と同じ香りであったので、声をかけ貴女の傘はこちらだと確固たる証拠を突きつけた。

「この傘、お姉さんの匂いがするんですお」
変態のようになってしまった。
噛んで癖の強い語尾になったことも不気味さが醸し出されている。

このままでは狂気の残り香ソムリエと化す。
私は真面目さを演出し真顔でフォローした。
「……凄く……甘美なニオイです……」
犯罪色が高まっただけであった。

変態の傘ともなれば、すぐさま返さねばならぬと思ったのか即返還された。
傘と引き換えに何か大切なものが失われた気がした。

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【追記】
語尾以外は普通に話しかけていたのでセーフかに思われたが、その事を武術の先生に話すと
「たとえイケメンだったとしても、その物言いは怖い」
と、言われた。
脳内で自分をイケメンに置き換えてみたところ、確かに駄目であった。

因みに古くからの友人に話したところ
「変態の傘を持っていたくないという人間の心理も働いたのではないか」
と、考察された。

盗まれぬ為には変態の傘と一目で分かるようにすれば良いのではないかと一瞬頭を過った。

【おまけ】
因みに噛むのは恐らく遺伝である。
先日、母が甥っ子に向かい
「野菜も食べなすん」
と、申していた。
皆様も、好き嫌いせず野菜も食べなすんした方が健康的である。


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【書籍】
最近その傘も強風に破壊されましたが、本を出しています。

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