6:30
朝、目覚めると声がアンパンマンのカバオに酷似していた。


8:00
喉にカバオを抱えながら登校。
少しでも緩和させる為、母に水筒に白湯を入れて貰う。


8:30
学校にて、トイレでカバオのチェックを行う。
「アンパンマァン……」
個室から「え……」と声がした。


9:00
国語の授業の開始。
カバオの呪縛が解かれている事を やなせたかし に祈る。
途中、隣の席の田中が国語教師に叱責され、重い空気のなか朗読の順が私に巡り、恐る恐る口を開く。


9:10
「クラムボンが笑ったよお」(CV:山寺宏一)

このクラスにカバオが紛れ込んでいる事が露呈する。
「クラム…ボ……ぷかぷ…けぇ……わらぁぁ……」
次の朗読者の様子がおかしくなった。
先程怒られていた隣の席の田中が、叱責とは別の理由で半泣きになる。
厳格な国語教師の手前、教室中のクラムボン達が苦しむ。


9:20
田中、再起不能。
他生徒達は耐え抜いた。
しかし、再び凶悪なカバオに朗読の順が近づき教室中に緊張が走る。
これ以上級友達に迷惑をかけぬよう、喉にこびりつくカバオを払おうと私は声を張った。


9:23
「クラムボンは死んだよお!!!(CV:カバオ)
国語の授業も死んだ。

声を張った結果、命の重みが分からぬカバオと化した。
厳格な国語教師がサイコパスカバオに
「……喉を潤しては……?」
と、飲水を勧める。


9:28
教師も皆も水を飲み始めたので、私もお言葉に甘える。
しかし、白湯を入れるよう頼んだ水筒の中には、母によって灼熱のお湯が注がれていた。


9:29
カバオの断末魔が教室に轟く。
国語教師の口から水飛沫が噴射された。
教室のほぼ全員が飲み物を口に含んでいた為、大惨事となった。 


【追記】
休み時間、田中と共に資料を運んでいると、隣のクラスで
「トイレでカバオの霊が出た」
と噂になっていた。
カバオの存在はクラスをも超えた。

私は喉の調子が戻らぬまま田中に向かい
「怖いねっ!!!!」
と、言った。
田中は廊下に蹲り動かなくなった。

田中を中心に教室中のヘイトを集めた日であった。
選択授業であった事がせめてもの救いである。

(※こちら、再掲載で少し元のものと変えました。)


【書籍】
本が出てるよぉ!!!!(CV:カバオ)

◯最新作 愛猫や近所の不審者と不穏な猫達のエッセイ
「尻でカスタネットを奏でたら視線が刺さり震えたが今日も猫は愛おしい」
•猫に点穴を突かれて病院へ
•店員を襲うあかなめ
•猫と尻カスタネット
などの話が詰まってます。
【↑Amazon限定特典本】 •初回版の場合はしおり ※書店に置かれている本でも、初回版ならば付いてきます!!


◯一冊目 変なエッセイ
【猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました】

猫の病院で起きたすれ違い、
カツアゲにあった話など、日常の不審者詰め合わせ。
愛猫の話もあり。


◯二冊目 変人達のレクイエム
【電車で不思議なことによく遭遇して、みんな小刻みに震えました】

変質者と変質者のマリアージュ
勿論電車の中での話以外もあります。
愛猫の話もあり。


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