猫に錠剤を飲んでもらう事になった。
医師の指導のもと、猫が苦味を感じないよう薬をオブラートに包み、喉に張り付かぬよう水、薬、水の順で口内に流し込んだ。
しかし、飲ませ終わったからと油断し、目を離してはならない事をこの時私は知った。
こちらは口内に薬物を所持した猫が、隙を見て布団の間に埋め隠している現場を押さえたものである。

密輸の手口に酷似している。
薬を掘り出す為、私は猫に退去するよう要求した。
猫は要求に応じない。
横たわる事で猫の面積を増やし強制連行を塞いでいる。

しかし、こちらも引き下がる訳にはいかぬので、最終勧告を表した。
猫は仲間を呼んだ。
近年多発している手口「ダブル猫ブロック」である。

背後のカーテンを はためかせるなどして威圧してみたが、むしろカーテンは踏まれた。
数時間後、猫達がいなくなった現場からはカピカピになった薬が証拠品として押収された。
【追記】
人目を避け、明らかに隠してますという表情で埋めていた。
基本的には割とすんなり飲んでくれるので困らないが、それ故にこちらも油断するので密輸の手口でかわされる事もある。
飲んだように見せかけるのが上手すぎて、飲み終えた後も目が離せない。
しかし、シリンジからの液体の薬は毎日すんなり飲んでくれているオリコウネコチャンである。
そして、我が家の猫達は結託して錠剤から逃れようとするので、2対1となる。
分が悪い。

薬も飲まず、仲良くころんころんしやがって可愛いのだ。
元気でいてくれるなら、それで良い。
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