発熱したが、1日で熱は下がった。
しかし、腹痛や意識の混濁が残り、病院へ行きその旨を問診票に記入し受付に提出した。


医師は問診票を見た。
「昨日未明、38度の発熱が見られ、今朝起きたら冷たくなってました。」
手遅れである。
下熱していたと書きたかった。
この時点で医師はすでに嫌な予感がしていたという。

IMG_7308

問診の結果、胃腸炎の可能性が浮上した。
処置室の寝台にて、検査のため尻を出し横たわるように言われた。
念の為「今後どのような処置がされるのか」を、頃合いを見て医師に訊ねる事にした。

医師が着々と検査器具の準備を進めるなか
  「先生……聞こえますか……先生……」
  「今後の尻の方向性についてですが……」
  「処置はどの尻にしますか……」
院内すべての尻を巻き込んだ不気味な選択肢を医師に与えた。

暫しの沈黙の後
「え……僕が選べるんですか……」
という混乱した医師の言葉により、看護師が持っていた紙を落とした。

IMG_7309

【追記】
まだ胃腸炎に慣れていない頃の話である。
今や付き合いが長い医者で助かっている。

私は文章を書くことをしているが、会話口調で書く事が苦手であるため、説明や会話となると大変苦心し、問診票やLINEともなれば際たるものである。


以前にも書いたが、友人が意中の女性と出かける約束をとりつける事に成功し「早くその日が来るといいな」と祝福のメッセージをスマホに打ったつもりが
「早糞の日が来るといいな」
と、送られていた程のLINEの下手さである。
友人の恋愛を思い応援するつもりが、友人の糞に想いを馳せていた。

なので、友人達に本を出していると言った際も大変に疑われた。


【追記の追記】
普通の胃腸炎では尻を出さないパターンも多くあるので安心してほしい。
(それでもたまに出すことはある)

しかし、私のように尻から緑の物が出たら確実に尻は出すことになるうえに、必ず受診が必要であるので、すぐさま病院へ。
結構重症である。


【書籍】
三冊目に愛猫達や近所の猫、不審者が出る猫エッセイが出ております。

◯最新作 変な猫エッセイ
「尻でカスタネットを奏でたら視線が刺さり震えたが今日も猫は愛おしい」
【↑Amazon限定特典本】 •初回版の場合はしおり ※書店に置かれている本でも、初回版ならば付いてきます!!


◯一冊目 変なエッセイ
【猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました】

猫の病院で起きたすれ違い、
カツアゲにあった話など、日常の不審者詰め合わせ。
愛猫の話もあり。

◯二冊目 変人達のレクイエム
【電車で不思議なことによく遭遇して、みんな小刻みに震えました】

変質者と変質者のマリアージュ
勿論電車の中での話以外もあります。
愛猫の話もあり。

【こちらからでも、各ネット書店でお求めいただけます!】
https://www.kadokawa.co.jp/product/322312000832/