電車内で酔っ払いのオヤジが悪態をついていたがバランスを崩し、通路の真ん中に立っているポールを軸に回転し突如妖艶な動きを見せつけた。

しかも怒鳴っている途中でオヤジの旋回が開始されたので
「あんたたちぃぃいいいっ！！」
と、挑発的なスタイルで観客を煽る熟年のベテランダンサーの風格が車両に漂った。



ポールの近くに座っていたサラリーマンはポージングを決める妖艶なオヤジの背が視界に直撃し、肩を震わせ必死に耐えていた。
しかし、更なる揺れが車両とオヤジを襲い、オヤジは逆回転を開始した。

サラリーマンにオヤジと見つめ合うオプションが追加された
サラリーマンはもう耐える事ができなかった。



【追記】
私自身も意図せずポールで蝉の羽化スタイルで回転した事があるが、本当に抗えない。
疲れている人は気をつけた方が良い。
ちなみに、このポールにぶつかる自滅のオヤジを見たこともある。

事件性のあったオヤジであるので、その件を駅員やら警官やらに説明する事となった。
その際、私は何故か「鬼滅の刃」の発音で「自滅のオヤジ」を連呼していたらしく、共にいた友人と駅員が大変集中力を欠かれた。

イントネーションも大事である。



【書籍】
妖艶なオヤジとエンカウントしましたが、こんな感じの内容の本を三冊出してます。
電子書籍もあります。

◯最新作　変な猫エッセイ（？）
「尻でカスタネットを奏でたら視線が刺さり震えたが今日も猫は愛おしい」
【↑Amazon限定特典本】　•初回版の場合はしおり　※書店に置かれている本でも、初回版ならば付いてきます！！


◯一冊目　変なエッセイ
【猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました】

猫の病院で起きたすれ違い、
カツアゲにあった話など、日常の不審者詰め合わせ。
愛猫の話もあり。

◯二冊目　変人達のレクイエム
【電車で不思議なことによく遭遇して、みんな小刻みに震えました】

変質者と変質者のマリアージュ
勿論電車の中での話以外もあります。
愛猫の話もあり。

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