児童館用のサンタクロースの付け髭を通販で購入したら何故か立派な中東の髭が届き悩んでいたところ、友人からスーパーで変なオヤジに付き纏われていると連絡がきた。

到着すると、友人は確かに不審なオヤジに常に後をつけられていた。 
どうしたら良いか分からぬので、とりあえず私もそのオヤジの背後に付き添った。

暫くして、友人は競歩で逃げ惑うオヤジと、それに続きスカートと中東の髭をはためかせる不審な人影を目にした。
私である。
先の髭を出来心で付けたところ取れなくなってしまった。

友人は何かヤベェ奴が増えたと思ったという。
しかし、よく見たら私であったので、助けを求める相手を誤ったと後悔の念に駆られたと後に語った。

オヤジはもはや友人を追い越し、祈るような眼差しで幾度も背後を確認した。
何度振り帰っても満面の笑みの髭が競歩で付いてくる。
逆上されぬよう、常に笑顔を保っていたのだ。
しかし、オヤジの顔色は私と目が合う回数に比例し悪くなっていった。

やがて追い詰められたオヤジはこちらを向き
「何ですか……」
と、小さく呟いた。
私も何か言わねばならぬと口を開いたが、髭で鼻腔がくすぐられ
「ケフィアッッ」
という奇怪な返事になった。

オヤジはその後も暫くケフィアに追いかけ回された。


【追記】
どのように対処すれば良いのか分からない。

友人に声をかけようと思ったが、何せ髭でスカートであったので、ためらわれた。

その後も本当に髭が取れず、皮膚科へ行く事となった。
オヤジを追いかけ回した為、受付の時間終了10分前となり、その日の一番最後の患者となった。
皮膚科の先生の1日の終わりが、アホな髭野郎になってしまった。

英語の堪能な友人に商品の箱を英訳してもらったところ、リムーバーのようなものがなければ取れぬが、そのリムーバーは付属されていなかった。

髭が取れぬ場合は、間違っても無理をして取るような事はせず、直ちに皮膚科へ行くことを強くお勧めする。

【書籍】

意外と顔の半分が隠れるので、バレぬだろうと恥ずかしくありませんでした。
でも、近所の人には私だとバレていました。
そんな私ですが3冊本を書いてます。
電子書籍もあります。

◯最新作 
「尻でカスタネットを奏でたら視線が刺さり震えたが今日も猫は愛おしい」
タイトルの意味は読めば分かります。
「猫と近所の不審者と私」そんな感じの本です。
【↑Amazon限定特典本】 •初回版の場合はしおり ※書店に置かれている本でも、初回版ならば付いてきます!!


◯一冊目 変なエッセイ
【猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました】

猫の病院で起きたすれ違い、
カツアゲにあった話など、日常の不審者詰め合わせ。
愛猫の話もあり。


◯二冊目 変人達のレクイエム
【電車で不思議なことによく遭遇して、みんな小刻みに震えました】

変質者と変質者のマリアージュ
勿論電車の中での話以外もあります。
愛猫の話もあり。


【こちらからでも、各ネット書店でお求めいただけます!】
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