やーこばなし

露出狂に出会ったり、カツアゲにあったり、等速で動く点Pを逆恨みしたりする話などを書いてます。

カテゴリ: やーこ小噺

コンビニのアルバイトにて、勤務を終え田中とシフトを交代し、バックヤードで同期の木村に「忘年会についての連絡を田中と店長に返信したか」とLINEで訊ねると『田中は先ほど変死しました。念のため確認してもらえますか?』と、事件性の高い返事が来た。バイト上がりに田中 ...
続きを読む

「世の中には仕方がない事もあります。しかし、それが許容できるかと言えば、それはまた別の話です」そう言うと、友人は髭を撫でながら私を見つめ、次に目の前のコーヒーカップへと視線を移した。「手頃なコップがないからといって、コーヒーカップにコーラを入れるのはやめ ...
続きを読む

先日、よく駅前を彷徨いているオヤジに「百円貸してくれ」と、言われた。以前酒を貰った縁もあるので渡した。その後、オヤジが付近の家の犬の「餌を与えないでください」と、書かれた貼り紙の下で酔い潰れていた。間接的に餌となりかねぬ百円玉を与えてしまったが大丈夫だろ ...
続きを読む

夕方、自宅にて通路側の窓を開けているとトイプードルの散歩中の近所のオヤジと目が合い「闇商人が来るよ……」と、囁かれた。「雨戸も壊して入ってくる……」随分積極的な闇商人が近所を練り歩いている。異様に効くポーションなどを訪問販売してくるのだろうか。何だかとん ...
続きを読む

母にデパ地下の身の丈に合わぬ煎餅を頼まれ買いに行ったところ、下の方を見ようとした際にショーケースに盛大に頭をぶつけた。店員が心配しているので、返答したが「思ったより頑丈なガラスですね」と、ショーケースを頭でかち割ろうとしたエネルギッシュな煎餅強盗未遂の容 ...
続きを読む

人は視界に入ったものに無意識にも大きく影響を及ぼされるものである。突然蟹が宅配され、住所は書いてないが送り主の名が親族の名であった為、家族で喜んで食べるという初夢を見た。非常に幸先の良い夢であったが、途中から家の中ににTシャツにブリーフ姿の見知らぬオヤジが ...
続きを読む

公園を通りかかると小さい子が一人でおり、近くで酒を飲んでいるいつものオヤジ達が狼狽えていた。迷子だと心配したジジイがオヤジを向かわせようとけしかけた。「お前、行け。迷子かもしれないだろ」「え、おれ?子供泣かないかなぁ」「お前見た目がサンタさんみたいだし大 ...
続きを読む

墓地にて、墓の場所を失念し家族にLINEで訊ねると「田中家の墓の隣」と返ってきたが、既に私は大量の田中家の墓石に包囲されていたどの田中であろうか。再び手掛かりを求めると「一番高そうな田中」というアバウトな返事が来た。突如墓場で高級な田中探しが始まった。選りす ...
続きを読む

電車でボックス席に座っていると、対面の席に座るオヤジがウィンクしてきた。随分愛想の良いオヤジだなと思い、ウィンクを返すと、今度は手を振ってきたので、こちらも手でハートを型取り応戦した。私のハートに被弾した事によって咽せたオヤジの目からコンタクトレンズが落 ...
続きを読む

電車内でズボンのチャックが全開のオヤジが女性に絡んでいた。「もしよろしければ、ズボンのチャックを閉めて頂けますか?」と、間に入り控えめにお教えすると、オヤジは青い顔をして別の車両へ去っていった。女性の方に顔を向けると,女性も礼を言うと同時に反対方向の車両へ ...
続きを読む

大変有難い事に、三冊目が出版され、初の猫メイン本となった。今までの尻話の多さから、次回本が出せるとしたら『尻が震えました』というようなタイトルになるのだろうかと、やんわりと思っていたところ「尻でカスタネットを奏でたら視線が刺さり震えたが今日も猫は愛おしい ...
続きを読む

忘れ物をし、友人宅から一度自宅へ戻る。友人宅前の豆腐屋を目印として記憶する。途中、目印となる物がない十字路が多発したが、全裸で踊るオヤジがいたので事なきを得た。忘れ物を取り、友人宅へ向かう。全裸で踊るオヤジが警察にしょっ引かれ目印を失う。彷徨った末に豆腐 ...
続きを読む

寝坊し自習に間に合わなかった罰として、私と吉田君は放課後に居残り勉強となった。教室に我々しかいない事を良い事に吉田君が読んでいた漫画を私に託しトイレに席を外している間、通りかかった体育教師が何故か様子を見に教室へ入ってきた。急いで漫画を吉田くんの鞄に戻す ...
続きを読む

私の朝はセバスチャンのいれた一杯のローズティーから始まる。訳:寝起きに全力で蛇口を捻り水道水を飲む。辺りの朝露のきらめきを眺めながら、私はレースのハンカチで口元を拭いた。訳:水道水が辺り一面に飛んだ。  力加減を間違えたのだ。  飲み方も失敗し豪快に口横 ...
続きを読む

私は新宿駅前でカラフルなオヤジから楽器のカリンバを渡されたので、デタラメに弾いていた。指で弾くタイプの小さなオルゴールのようなその楽器を弾いていると、道行く者は半笑いで通り過ぎ、近くに座る前歯の抜けた酔っ払いジジイからは「へたくそ!」と野次が飛ばされた。 ...
続きを読む

病院で採血をする事となった。採血台は二つあり同時進行で行われ、私の前にパーマの老婦人と短髪の老婆の患者が席についていた。看護師が準備をしている間、短髪の老婆が自分を担当する若い看護師に「本当はベテランの人がいいんだけど」「痛くしないように、絶対痛くしない ...
続きを読む

水に浸けていると中からヒヨコが出てくるという卵の玩具があり、児童館の子供達とやってみる事にした。翌日、卵を入れた水をを確認するとそこには卵から孵ったまんまるのヒヨコの姿はなく、卵を突き破るボコボコの謎の生物が水底に沈んでいた。円柱の入れ物に入れた為に、国 ...
続きを読む

友人三人と川辺でバーベキューをする事になり、現地集合の為一人で電車に乗ったが途中で思い切り寝てしまった。普段乗らぬ電車の為に通り過ごしたかどうかも分からず焦り、とりあえず近くにいた者に「小籔駅は、もう過ぎましたか?」と、訊いた。屈強な外国人であった。「ナ ...
続きを読む

児童館のアルバイト中、私は絶命しかけの蝉に擬態していた。身を持って蝉が生きているか否かの見分け方を子供達に指導していたところ、引き戸が開かれた。新しく入った気難しそうな職員であった。しかも「ジジジジジジジジジジジジジジジジジジ」と、丁度床上で回転し、汗だ ...
続きを読む

DMにて、突然知らぬ者から無言で猫の画像が送りつけられてきたので、とりあえず私も秘蔵の猫フォルダから猫画像を送り返した。それからというもの、言葉を交わす事なく互いに猫の画像を送りつけ合う日々が続いた。そんなある日、間髪入れずに何枚もの猫画像が次々と送られて ...
続きを読む