布団を干したら大変な事になった 2025年06月07日 薄手の布団を干すことにした。初夏の風が気持ち良く、私はその風に乗じて布団に付着した愛猫の天然ファーを世に放った。ついでにと思い父の汗を長年吸い続けている毛布も干してやった。両手で持ち風に泳がせてたところ、手元を離れ飛んでいった。そして、父の汗染み毛布が近 ... 続きを読む
【日記】雨の中、ビニール袋で頭のみを守る 2025年03月29日 急な雨の中、視線を感じ振り返るとビニール袋を被り頭以外の全てを犠牲にして雨に濡れるオヤジが佇んでいた。傘無き同志に敬意を示し、私は静かにオヤジに頷きその場を後にした。帰宅すると私のズボンに何故かコンビニのビニール袋が挟まっており、尻だけが水害から逃れてい ... 続きを読む
【日記】近所の怒鳴るオヤジ 2025年03月28日 近所にすぐ他人に悪態をつくオヤジがいるが、先日そのオヤジが茂みの中で猫を甘々に甘やかしている現場に遭遇した。私とオヤジは無言で見つめ合った。我々の間に、猫の喉を鳴らす音だけが響いた。オヤジが何かを言おうと口を開いた瞬間、防衛本能から反射的に「ネコチャン……」と ... 続きを読む
友人が減量でおかしくなった話 2024年07月23日 ある日、友人が「俺のわがままボディが限界を超えた」とラーメン屋で言い出した。更にラーメンに米を入れながら「痩せなければいけない」と申すので、フリスビーをする事となった。「投げるぞ」と、友人がフリスビーを構えたので、その隣で私も走れるよう構えた。しばし、互 ... 続きを読む
下着泥棒を放置した末路の話 2024年05月28日 風というものは季節の草木の香り、花びら、夕暮れの涼しさ、と様々なものを運ぶが、ブリーフが運ばれたのは初めてであった。連日に渡り、近所の猫に盗まれていた父のブリーフが強風により我が家に舞い戻ってきた。何故この地域の風は冒頭に記したような美しいものではなく、 ... 続きを読む
非通知の電話に出たら怖い目にあった話 2024年05月21日 ある日から非通知で無言電話がかかってくるようになった。恐らく暇を持て余した友人のタカシの仕業であると私は予測していた。音声マイクが壊れたのかと思っていたが、たまに小さく「ねぇ」と囁いてくるところを見ると、やはり人工的な無言電話である。元々、人類の訳の分か ... 続きを読む
動画で怖い事になった話 2024年05月14日 友人の結婚祝いに皆のダンスする様を繋ぎ合わせたムービーを流す事となり、各自撮って送ってくれと頼まれた。早速自分の踊りを撮影し、確認したところ、カメラに向かい激しく両手を上下させ威嚇するチンパンジーと、その背後で猫達が一塊りとなって静かに争っている訳のわか ... 続きを読む
バイト先でプライバシーが漏れた話 2024年04月09日 帰宅した際に、出迎えに来た猫達の視線を独り占めすべく右右左左と腰を左右に振る事をルーティンとしていたが、疲れ過ぎてバイト先の児童館に入館した際に出てしまった。しかも、職員に目撃された。私のプライベートな部分が生晒しとなってしまった。私は精神的に打撃を喰ら ... 続きを読む
屋根裏から不審な音がした話 2024年03月26日 屋根裏から何らかの足音が聞こえるようになり、父に対策をとるべきではと何度も訴えていたところ、ついに父が「アリエッティがいるんだよ」と、現実逃避をし始めた。アリエッティにしては足が4本くらいありそうな音である為、遭遇した際は一気にホラー展開と化す事だろう。※ ... 続きを読む
飲み物の中身を入れ替えられた話 2024年03月19日 一升瓶の中身を水に差し替えられた事に気が付かず、うっかり飲んでしまい、この気持ちを共有するべく近所の飲み仲間のジジイに飲ませる事にした。一升瓶と紙コップ一房をぶら下げ、ジジイを求めて歩くと、まんまと見つかった。私の手にしている酒に目をつけたので、紙コップ ... 続きを読む
花見で怖い目に合った話 2024年02月27日 切り株に可愛らしく座る鳩をスマホで撮影しようとしたところ、一瞬だけ鳩を写したのち充電が切れ、私の油断し切った顔面がスマホの暗黒画面に映し出された。鳩を見ていた筈なのに、何故自分と見つめ合っているのだろうか。意図せぬ自分との対面は精神衛生的によろしくなかっ ... 続きを読む
小噺【自宅でトラブルにあった話】 2024年02月20日 その日、私は久々の積雪に気分が高揚し、降りしきる雪を眺めながら自室で自作の腰蓑を頭に被り身体を揺さぶっていた。すると、屋根からの雪の落下に伴い大きな音がすると共に家が少々揺れた。これも雪の醍醐味であると思っていると、猫達がわざわざ一階から足を運び、襖の隙 ... 続きを読む